日日雑記

内山美樹子著『文楽 二十世紀後期の輝き―劇評と文楽考』に酔いしれる。

歌舞伎座で『熊谷陣屋』を見て、午後はずっと、ふと気がついてみると、今日見たばかりの舞台のことばかり思っている、午後ずっと。と、『熊谷陣屋』の追憶にひたっているうちに、内山美樹子著『文楽 二十世紀後期の輝き―劇評と文楽考』のことをなんとはなし…

建て替え前の歌舞伎座の最後の芝居見物は、すばらしき『熊谷陣屋』。

朝、弁当を作りながら、ラジオのスイッチを入れる。本日の「音楽の泉」はベートーヴェンの《ワルトシュタイン》。何度聴いてもいつ聴いても大好きな曲、なんという風格……などと聴き惚れているうちに手抜きの弁当が出来上がって、イソイソと身支度。次の曲は…

文学座有志による自主企画公演「久保田万太郎の世界」第8回公演を見物して、龍岡晋をおもう。

先月、「みつわ会」の久保田万太郎上演の折に入手したチラシで、8回目の今回になって初めて、文学座有志による自主企画公演である「久保田万太郎の世界」のことを知った。いままでずっと見逃していたのはなんということ! と己の不明がたいへんもどかしいの…

日没後、東京宝塚劇場で雪組公演を見物する。昭和9年1月、東京宝塚劇場開場。

今月は毎週水曜日の日没後はどこかに寄り道して、気晴らしすることにしているのだった。先週は鈴本演芸場で、今週は東京宝塚劇場だー、というわけで、午後6時過ぎ、丸の内仲通りをズンズンと日比谷界隈に向かって、直進。 ここ2、3年というもの、宝塚とい…

「いとう旅館」のあった旧大和田町界隈。葉桜の目黒川沿いを歩いて、池尻で日没。

日没後は池尻でワインだ、わーいわーいと、夕刻、渋谷駅前の雑踏に降り立つ。集合まであと小一時間、時間調整がてら、池尻までゆっくり歩いてゆくことにする。池尻でワインを飲む日は、渋谷から246沿いを歩くのがいつものおたのしみ。渋谷から池尻を大通り沿…

『俳諧雑誌』復刊創刊号を入手して、丸の内籾山書店をおもう。久保田万太郎の「『水のおもて』に就て」。

午前中はさる筋のご厚意で「いとう句会」関係の稀覯本に謁見つかまつり、ただただ眩暈であった。昼下がり、天上界から下界に降りてきたという心持ちで、駿河台交差点に降り立ち、東京古書会館へ。「つわものどもが夢のあと」という趣きの地下室の趣味展会場…

サンシャインシティ大古本まつりでお買いもの。

よいお天気で嬉しい三連休初日。早起きしてイソイソと外出。永田町に向かって歩く、その途上のコーヒーショップでひと休み。帳面の整理をしているうちにあっという間に時間が過ぎて、国会図書館へ早歩き。正午過ぎ、図書館を切り上げて、有楽町線に乗りこん…

歌舞伎座で芝居見物のあと、東京會舘で喫茶。「ガトーアナナ」を買って渋沢秀雄をおもう。

いつもと同じ時間に起きて、諸々の家事を済ませたところで、ラジオのスイッチを入れると、ちょうど「音楽の泉」が始まったところ。本日の曲目はモーツァルトの弦楽五重奏曲 変ホ長調 K614。モーツァルトの弦楽五重奏でこの曲が一番好きなので、思いがけなく…

世田谷美術館で川上澄生展。夜の京橋交差点で昭和初期の都市風景をおもう。

朝からよいお天気で嬉しい。いつもと変わらない時間に起きていつもと同じ時刻に外出。永田町に向かって、青空の下を強風に吹かれながらテクテクと歩いてゆく。その途上、コーヒーショップでひと休み。椅子に座ったとたんに、首に巻いていた巻きものが消えて…

第13回みつわ会公演・久保田万太郎『水のおもて』『燈下』を見る。

久保田万太郎に耽溺したのは2001年年末に読んだ『春泥』がきっかけだった(もともと俳句は大好きだった)。万太郎に開眼した直後の翌2002年1月、文学座アトリエで加藤武主演で『大寺学校』を見物したのは(「洗亭忌」1月23日に観劇)、今でもとってもよい…

東京宝塚劇場で星組公演『ハプスブルクの宝剣』を見る。

昨日はうっかりワインを飲み過ぎてしまったと、ノソノソと起きて出してみると、窓のそとは雨がザアザア。ますます士気が下がったところで、ラジオのスイッチをつけると、ちょうど NHK ラジオの「音楽の泉」がはじまったところ。シューマンの《女の愛と生涯》…

初日の歌舞伎座の三階席で『道明寺』と『石橋』を見る。

夕刻、へなへなと外に出て、歌舞伎座に向かって早歩き、ゼエゼエとなんとか開演10分前に歌舞伎座に到着。到着したとたん、平日の日没後の歌舞伎座はひさしぶりだなア! と気持ちが高揚。三階席も実はひさしぶりなのだった。分不相応にこのところつい1階で見…

東宝の『忠臣蔵』を見て、ぼんやりと「昭和歌舞伎」をおもう。

ゼエゼエと息も絶え絶えになんとか間に合ってよかったよかったと、午後6時過ぎ、無事に神保町にたどりつく。息も絶え絶えになってまで見に来るほどの映画でもないのだけれども、昭和37年の東宝の稲垣浩監督で幸四郎主演の『忠臣蔵』は長年の懸案であった。 …

岩波文庫の『ハムレット』に耽溺して、昭和8年の「築地のハムレット」をおもう。

月曜日の昼休みにふと思い立って、岩波文庫の『ハムレット』(野島秀勝訳)を買って、スターバックスのソファでさっそく読み始めたら、さっそく夢中。翌日から朝と昼、コーヒー片手にじっくりと噛みしめるように読みすすめる。こうして突如シェイクスピアに…

文藝春秋社『手帖』の三宅周太郎。

週末の古書展で入手した本や雑誌をゴソゴソと整理する日曜日の夜。なぜか急に《ドン・ジョヴァンニ》が聴きたくなり、ワルターのメトロポリタン歌劇場のライヴ録音(1942年)を何年ぶりかで再生してみたら急にハマってしまったので、iPod に入れて明日からし…

浅草歌舞伎で『御浜御殿』。『歌舞伎ちょっといい話』を繰って、菊五郎、猿翁、左團次をおもう。

ガバッと起きて弁当をこしらえてイソイソと外出。今日は NHKラジオ「音楽の泉」が始まる前に外出。銀座線に乗り換えて田原町で下車、地上へ向かう階段の途中、さすがに朝は焼きそばの匂いはただよってこない。ドトールでコーヒーを飲んで、ほっと一息ついた…

今年の洗亭忌は、宝塚見物。

2006年3月、東京宝塚劇場で見た星組公演『ベルサイユのばら フェルゼンとマリー・アントワネット編』が人生初の宝塚観劇だった。戸板さん考案の「ステファン人形」が登場しているのを目の当たりにして、戸板さんが終世親しんでいた宝塚歌劇と出会えた幸福に…

浅田飴を買って、『演芸画報』と『ヨシモト』の広告をおもう。堀内敬三の『ヂンタ以来』が届いていた。

朝起きると、ノドの奥がそこはかとなく風邪っぽい。なんということだ、なんということだ、大いに養生しなければならぬと、季節はずれの生あたたかい空気のなか、早朝の台所でメラメラと養生への決意に燃える。昼休み、イソイソと薬局へゆく。浅田飴(ニッキ…

『演劇五十年』の合間に、宇野浩二の『恋愛合戦』を読んでいる。

先週、久保栄の『小山内薫』をノートブック片手にランランと読みふけり、大正4年の三田における「古劇研究会」のところでひとまず中断、ふたたび戸板康二の『演劇五十年』に戻って、文藝協会と坪内逍遥の章から再開とあいなった。あらためて辿ってみると、…

久保栄の『小山内薫』に魅せられる。

一転、今日はよいお天気。イソイソと外出、今日も朝はランランとノートを取りながら、本を読む。戸板康二の『演劇五十年』は自由劇場でいったんお休みすることにして、昨日の夜、書棚から発掘しておいた、久保栄著『小山内薫』を今日は読むことにする。こち…

戸板康二の『演劇五十年』における森鴎外。

天気予報は一日雨降りだけれども、外に出るとまだ雨は降っていない。気が向いて、テクテクと歩いて出かけることにする。三宅坂をトコトコとくだりながら、どんよりとした曇り空の下で、iPod でポリーニのシューマンの幻想曲にひたって、陶然。11月末に3年ぶ…

神奈川近代文学館で長谷川時雨展を見物する。大阪ブラジレイロの『前線』をおもう。

日曜日のあとにもう一日休日が続くのが嬉しいなアと、しごく素朴な歓びにひたりながら、イソイソと身支度してソソクサと外出。秋葉原で京浜東北線に乗り換えて横浜方面へと向かう。この電車ではいつも車窓の京浜工業地帯(らしきもの)を眺めるのがそこはか…

戸板康二の『演劇五十年』を読みなおして、三木竹二をおもう。

秋に演博の新派展を見て演劇史をおさらいしたくなり、何年ぶりかで三宅周太郎の『演劇五十年史』を読み返してみたら、前回以上に耽溺してしまい、おなじく「演劇五十年」ということで、戸板康二の『演劇五十年』を読み返そうと思いつつも、そのまま日々が過…

『銀座解剖図』を繰って、波多海蔵と池田金太郎に思いを馳せる。

今年の冬休みは一週間にも満たないとは殺生な……と先月ブツクサ言っていたものの、いざ明けてみると、いつもの日常生活がはじまるのが嬉しい、というわけで、機嫌よくイソイソと外出。いつもの喫茶店に早々にたどりついてみると、いつもよりもだいぶ閑散とし…

初芝居は歌舞伎座夜の部。『車引』に大興奮する。

正午前、外出。近所のお寺で手抜きの初詣、例年どおりに家内安全無病息災商売繁盛を祈願したあと、銀座線に乗り換えて田原町で下車。階段途中の焼きそばの匂いはお正月も健在だ。ドトールで昼食後、人混みを避けて裏道を歩いて、花川戸の松屋に向かう。本日…

資生堂の雪岱展の図録はあっと驚く美しさだった。

埼玉県立近代美術館の雪岱展においては、購買意欲がわかず図録は買い控えてしまった。その代わり、掛川の資生堂アートハウスにおける展覧会の図録を通信販売にて入手(2000円)。雪岱に似つかわしい、つつましいながらもあっと驚く美しい図録で手にとったと…

正午、古書展で『テアトル・コメディ』を買う。長岡輝子を読んで「1930年代東京」と龍岡晋をおもう。

2年前から毎年12月23日は「正午 古書会館」、というわけで、今年で三回目の開催となる古書展に馳せ参じるべく、正午神保町。このところ人生何度目かの三宅周太郎ブームの渦中にいるので、無理やり三宅関連文献ということで、未所持の中戸川吉二の本が売って…

国立劇場で『頼朝の死』、『一休禅師』、『修禅寺物語』を見て、新井旅館のお菓子を買う。

目が覚めると、昨日の夕刻から夜中までザアザア降っていた雨がすっかりあがっていて、一面の青い青い空。機嫌よく、弁当をこしらえてから、毎週日曜日の朝のおたのしみ、NHK ラジオ「音楽の泉」を流しながら、朝食。本日はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲…

和洋会で買った『演芸画報』で明治製菓資料を発見する。『新演芸』のレート化粧品。

六本木で鏑木清方展を見て、あちらこちらを歩いて、夕方から雨が本降りになって、イソイソと帰宅。夕食の支度の合間に、本日の古書展で買ったばかりの演劇雑誌を繰って、ホクホク。そして、さっそく昭和12年3月の『演芸画報』を眺めて、ワオ! と狂喜する。…

鏑木清方展を見て、戦前の戸板康二と三木竹二の『歌舞伎』をおもう。

古書展での重たい荷物とともに六本木へ。母と待ち合わせて、サントリー美術館で鏑木清方の展覧会を見物。いつもよりだいぶ人が少なくてゆったりと見物できた上に、清方の絵をひさびさにじっくりと見られて、じっくりと見られるというだけでたいへん満喫。こ…