『sumus』第13号・「まるごと一冊晶文社特集」が届いて、晶文社の戸板康二をおもう。


冷たい雨がシトシト降っているなかをトボトボと帰宅すると、できたてほやほやの「sumus」最新号「まるごと一冊晶文社特集」が届いていて、歓喜にむせぶ。はやる気持ちをおさえてソワソワと夕食の支度をして、ソワソワと食事および片づけを終えたあとで、ゆっくりとページを繰った。何度も繰っているうちに、あっという間に寝る時間になってしまった。

 


「sumus」第13号《まるごと一冊晶文社特集》、2010年2月28日発行。

 

 

戸板康二と晶文社、という組み合わせはあまり似つかわしくないようだけれど、それでもとびっきり素敵な2冊の本が何年も前から書棚にある。

 


中原弓彦『定本 日本の喜劇人』(1977年9月30日発行)。戸板康二が序文を寄せている。この本を買ったのはいまでもよく覚えている。2001年のある日。オヨヨ書林が国立にあった頃。

 

『夢の町 桑原甲子雄東京写真集』(1977年8月30日発行)。巻末に桑原甲子雄と戸板康二の対談を収録している。これを買ったのはいつだったかな、『日本の喜劇人』よりあとだったことは確か。もともと魅惑的な本に、戸板康二が絡むことでさらに宝物になったという典型の本。

 

戸板康二が晶文社と関係している本は上記2冊と、あともう1冊『魚河岸ひとの町 本橋成一写真集』(1988年1月発行)がある(戸板康二のエッセイが収録されている)。戸板康二の名前が登場する晶文社本は、今のところ確認しているのは以上3冊だけだったと思う。上記の小林信彦と桑原甲子雄は刊行月がちょうど一ヶ月違いだと、今気づいた。これから寝床で、ひさびさに繰るべく、書棚から取り出したところ。