2014-01-01から1年間の記事一覧

大正12年5月、戸板康二の震災前の遠い記憶の新富座。戸板康二と六代目菊五郎の歳月。

大正12年5月に上海から帰国した戸板康二がのちに、記憶に残っているもっとも古い芝居見物して回想しているのが、同年同月の新富座興行。「演劇界」昭和54年1月号(第37巻第1号)に掲載の芝木好子との「春宵歌舞伎対談」では、以下のように語っている。 ぼ…

大正12年5月、小学2年生の戸板康二、上海から帰国して、のちの七代目梅幸と同級生となる。

大正12年5月20日付け「讀賣新聞」の「よみうり婦人欄 日曜クラブ 子供のページ」に、《子供に似ぬ進んだ頭の即興詩人 戸板さんのお孫さん 数日前 上海から憧れの日本へ》なる記事が載っている。 この時期の「讀賣新聞」の婦人欄では、戸板裁縫女学校の戸板…

演博の AV ブースへ戸板康二の音声資料を聴きにゆくの記。

早稲田大学演劇博物館の AV ブースへ戸板康二の音声資料を聴きに行かねばと思い続けて、幾年月、AVブースは月曜日から金曜日のみ利用可能、たまの平日休日の際は他の用事でなかなか時間がとれず、出かける機会が巡ってこないままに次第に忘れていって、幾年…

戸板康二作・中村雅楽シリーズ初のテレビドラマ化、昭和34年8月放送『尊像紛失事件』のこと(第4回)。

以下、昭和34年8月26日午後10時から30分間放映の「夜のプリズム」シリーズでテレビドラマ化された、戸板康二作の『尊像紛失事件』のメモ、第1回、第2回、第3回に続く、第4回メモ。やっと最終回。 □ 手元にある台本とリハーサル時に撮影されたと思われる…

戸板康二作・中村雅楽シリーズ初のテレビドラマ化、昭和34年8月放送『尊像紛失事件』のこと(第3回)。

以下は、昭和34年8月26日午後10時から30分間放映の「夜のプリズム」シリーズでテレビドラマ化された、戸板康二作の『尊像紛失事件』のメモ、第1回、第2回の続き。 不覚にもずいぶんひさしぶりの更新となってしまった上に、前回に記載の配役に誤記があった…

戸板康二作・中村雅楽シリーズ初のテレビドラマ化、昭和34年8月放送『尊像紛失事件』のこと(第2回)。

第1回の続き。ここから先は、昭和34年8月26日(水曜日)午後10時から10時半まで日本テレビで放送された戸板康二作『夜のプリズム 第三十二話 尊像紛失事件』について。リハーサル時に撮影されたと思われる計8枚のスチール写真とともに、台本と原作を交え…

戸板康二作・中村雅楽シリーズ初のテレビドラマ化、昭和34年8月放送『尊像紛失事件』のこと(第1回)。

江戸川乱歩の推輓により、戸板康二は「宝石」昭和33年7月号に、自身の「初」の推理小説である『車引殺人事件』を発表した。乱歩の絶妙な後押しもあり、『車引殺人事件』のあとも老優・中村雅楽を主人公とするシリーズを断続的に書き続けることになり、それ…